2010 年10月、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、2050年までに自然と共生する社会を構築するという愛知目標が掲げられました。愛知県は、知多半島を生態系ネットワークのモデル地区のひとつとし、その象徴種にキツネを選定。「ごんぎつねと住める知多半島を創ろう」を行動目標として、生態系ネットワーク形成に資する活動が展開されています。
その活動のひとつに、知多半島内でのキツネの生息調査があります。もともと知多半島には、里地・里山・里海など、すべてのエリアが緩やかにつながり、人と自然が共生する豊かな生態系が広がっていました。しかし自然環境の激減によって、生き物の生息環境は分断されつつあります。生物多様性の促進に欠かせない生きものの生息環境を増やし、つなげることを目的に、日本福祉大学は株式会社豊田自動織機と協働。キツネの生息範囲を広げるため、工場敷地内にキツネのための通り道(アニマルパス)を提案し、その設置により近隣の森へと行き来できるようになったことが自動撮影装置(カメラトップ法)を用いて確認されました。