実行事例

Practice

02

約75万人の調査データから
Well-being(健康・幸福)な
社会的要因とは何かを追究

2021.02.15

GOAL

GOAL

1.3

TARGET

各国において、最低限の基準を含む適切な社会保障制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

GOAL

GOAL

3.4

TARGET

2030年までに、非感染症疾患(NCD)による早期死亡を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健および福祉を促進する。

GOAL

GOAL

10.2

TARGET

2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

日本福祉大学 健康社会研究センター、JAGES(国立長寿医療センター、千葉大学、東京大学、浜松医科大学、東北大学)、愛知県常滑市、日本福祉大学福祉政策評価センター、国立社会保障・人口問題研究所など

01

Well-being(健康・幸福)に影響がある、
社会的な要因とは?

人の健康・幸福は、個人を取り巻く社会的な要因によっても影響されます。日本福祉大学 健康社会研究センターでは、Well-being(健康・幸福)な社会づくりを規定する社会的決定要因を解明するため、全国の大学・国立研究センターなどの研究機関と連携。20年以上にわたり、延べ75万人の高齢者にご回答いただいた調査データの分析・研究を行っています。その項目は、婚姻状況、所得や教育歴、職業、就労状況など多岐にわたり、取得したデータに基づき、社会階層の違いによる健康格差の実態やその形成プロセスについて明らかにしてきました。

 

実行事例

02

WHOの勧告から高まる、
健康格差解消への気運。

子どもの平均寿命は、どこで生まれるかによって大きく異なります。日本やスウェーデンでは80 歳を超え、ブラジルなら72 歳、インドでは 63歳。一方、アフリカの国々では 50 歳にも満たないのです。国の貧富の程度にかかわらず、全ての国において、健康と病は社会階層の勾配に従っていることもわかってきました。 すなわち、社会経済的地位が低いほど、健康状態も悪いのです。

こういった背景を踏まえ、2008年には、WHOに健康格差への政策の提言および手法を提供しました。

WHOの「健康の社会的決定要因に関する委員会」による2008年のレポートで、格差を放置すべきではないという立場から3つの勧告が行われました。

 

1つ目は、行動は生活環境により規定されるため、生活習慣よりも生活環境の方が大事だという点。それまでは生活習慣に着目し、「歩いた方が健康にいいから歩きましょう」といった健康教育が促進されてきました。しかし、知識としてそれを知っていても、行動に移し、継続することは難しいもの。従って、生活の中で歩く環境をつくるべきだという勧告です。

2つ目は、社会経済的な格差にも目を向け、社会保障の機能を強化し、平等にしていこうという勧告。

3つ目は、さまざまな取り組みを行った上で、それらのインパクトや効果を評価し、効果があるものを世界中に広めていくべきだというものです。

翌2009年のWHOの総会で、これらの勧告が、世界中の加盟諸国および専門職は、健康格差の縮小のために取り組むべきだという決議へとつながったのです。

実行事例

03

知多半島でも明らかに。
社会との関わりと健康への影響

こうした研究は、身近なところでも活用が進んでいます。愛知県常滑市では、市内に住む65歳以上の高齢者約5,300人に対して2006年から2017年まで調査を行い、さらに市の介護保険給付データを活用して分析。スポーツや趣味の会などに週1回以上参加している高齢者は、まったく参加しない高齢者に比べて11年間で介護費が1人当たり35万~60万円低いとする論文をまとめました。週1回以上の社会参加が1割増えれば、同市だけで介護費が約8000万円削減できる計算です。

人の健康・幸福を定義づける社会的要因はさまざまです。「住んでいる地域に愛着があるか」「心配事や愚痴を聞いてくれる人がいるか」「スポーツや趣味、習い事など、参加しているグループがあるか」など、その項目は多岐にわたります。社会的ネットワークの豊かさや社会階層の違いによる健康格差の実態と、その形成プロセスを明らかにし、市町村支援や政策提言など、自治体と組んで社会へ実装する取り組みも進んでいます。

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